入試に小論文が取り入れらる傾向が強まっています.しかし、小論文の書き方を教わった経験があり、自信を持って本番に臨むことができる人はそう多くはないのでは?では、対策として具体的にはどのような勉強法があるのでしょうか?小論文のテーマは本当にいろいろあります。できうる限りの過去問を入手しそれをとりあえずはやってみることが欠かせません.代表的は課題テーマは、環境問題、地球温暖化、高齢化社会、いじめについてなどがあります.小論文を書くノウハウは当然存在します。それは自分に問いかけるということ.偏りがなく、ほかの誰もが納得でいる考えを探すことです.大切なことは自分のできることから第一歩を踏み出す勇気と行動力です.
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アウトライン作りまでの試験時間配分は?
アウトライン作りまでの試験時間配分は試験時間の3分の2を使ってください。

 理由は、アウトライン作成完了するということは、テーマ(及びテーマを理解するために付された資料)を理解し、設問の要求に応じて必要な考察をして何を書くか、どう書くか、が決まった状態だということですが、ここまでが決まれば原稿に執筆することは単にアウトラインを噛み砕いて流れを踏まえて丁寧に書くことに専念すればよいことになるからです。

 ここまでが決まっていない状態で原稿に執筆を開始すればどうなるか。

当然、途中で何を書いていたのか分からなくなったり、もっと書きたいことが見つかったり、書く順序を変えた方が良いと気づいたり、と言う事が起こります。そうなってくると、決して試験時間内で作業を終えることは出来ません。

 準備を万端整えて執筆を開始する。 準備とは、設問要求の正確な把握、課題の深い分析と書きたい情報の発見、そしてどう書けば読み手が理解し納得してくれるかの構成の工夫、のことです。

  • 対称と目的|小論文が誰でも書けるマニュアル

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  • アウトラインと執筆|小論文が誰でも書けるマニュアル

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  • アウトラインの例
    分析メモを取り終わって、自分の言いたいこともはっきりした段階から、論述を開始する作業の流れを見ておきましょう。

     まず、たくさん出てきた分析のメモは、この論述で言いたいことを目指して次のような形に整理します。

     設問の要求に応じてメモを取り終わったとして次は、メモからアウトラインを作ります。

    1段落目:A−1
    2段落目:C−2・3
    3段落目:D−1・3・4
    4段落目:E−1

     たとえば、上のように記号や数字だけで、そのアウトラインをメモしておけば充分です。原稿用紙に書き込む段階で、それぞれのメモの文にもとづいて肉付けし、詳説していけば大丈夫です。

     ただ、アウトラインは読み手の立場で考える必要があります。それは、日頃から顔を合わせている友人や家族を思い出して、その人に説明する場面を想像する方がやりやすいと思います。

     1.アウトラインができれば、総字数に応じて、各段落の字数を大まかに決めておく
     2.特に段落の役割が曖昧にならないよう、メモの内容を振り返っておく
     3.書きはじめる
      (ここでは特に誤字脱字、言い回し、接続には十分に注意する)
     4.自分が言いたいことを充分に書き切る
     5.全体を読み直し、誤字脱字の修正をして終了

     以上が執筆作業後半の手順です。

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  • 設問テーマがもっている世界観
     設問文の要求に応じる作業を行なうには、設問文の要求が何であるかを理解しなければなりません。だから、相手の要求を理解するということがきちんとできない人は、この作業の段階で躓くかもしれません。

     相手の要求を理解するということは、難しいことではないだろう――と簡単に結論付けてしまう方が多いと思いますが、私は決してそれほど容易なことではないと思っています。いや、それは往々にして誤解に陥りやすいものだからその失敗をしないためにも、少し詳しくみておきたいと思います。

     相手の要求が対面してのものであれば、表情や態度、口調など参考になる情報もたくさんありますし、分からなかったらすぐに聞き返すことが出来ます。
    また、自分の理解がそれで正しいのかを確かめることもできます。
     それが電話になると即時性はそのままありますが、表情や態度の情報は得られません。そしてメールや手紙など書かれたものになると、即時性も無く、問い返してすぐに確認することもできません。

     その意味で、書かれた言葉は、確定的な伝達情報です。
     したがって、それをどのように解釈するか、誤解するか、深読みするかは、すべて読み手に委ねられます。ということは、少なくとも試験の設問文のように要求に従うことが出来なければ自身が損をするような場面では、確定された言葉の意味を、送り手が届けようとした情報をなるべく正しく理解するように読み取る必要があるということになります。 

     そのためには、論文試験の設問テーマがもっている世界観(ここでは大雑把な意味で使いますが、いずれ詳しく説明します)を、ある程度感覚として理解しておくことが望ましいと思います。

     たとえば、文化の発展というテーマを語る資料の文は様々なジャンルから見つけてくることができますから、食やファッションに関するくだけたエッセイもあれば観光案内のような文章もあり、日記や体験記、文化論、歴史、漫画と、どのような資料が付されることもあり得ます。

     しかし、それらの文体に振り回されず、参考として活かしながらテーマについてきちんと考えるためには、そのテーマ自体のもっている世界観を知らなければなりません。知らなければ言葉の表層の意味でしか考えられなくなります。

     テーマの世界観を知るということは、いわゆる丸暗記の知識ではありません。 ここでたとえば解説講義を聞いたことがあるというだけでは、世界観を理解することにはなりませんから注意してもらいたいと思います。

     文化について、その発展の仕組みや問題を考えようとするとき、これまでの文化発展の歴史を振り返り、自国文化の特徴を調べたり、異文化との関係を調べる必要もあるでしょう。文化の担い手や妨げになるものを見つけ出し、対策とその影響を考えてみようともするでしょう。

     こうした詳しい理解を積み重ねていくには、大学で専攻するに近い学習経験が必要ですが、その大学の入学試験の準備としてはそこまで詳しくはできません。むしろ受験生は往々にして手っ取り早く、と解説本を求めます。しかし、解説はいくら読んでも自分の言葉にはなりません。理解をするためには、分からないという状態、つまり疑問を抱えている状態がなくてはなりません。そして、疑問を晴らすための努力をすればするほど、そこで得た理解は忘れ難いものになっていきます。

     だから、お薦めしたいのは、疑問をみつけ、それを自分の手で解決するという段階を経験することです。
     
     テーマに対して疑問をみつけ、それへの解答を自問自答によって導くのです。
     それはもちろん、過不足があります。だから、それを文章化しても決していい論文にはならないと思うでしょう。しかし、それでよいのです。
     過不足がある原因は、知識不足だけではなく、疑問を諦める傾向や追及する視点が形式化しているためであったり、一般論に迎合したいという意志の弱さがあったりと、様々な原因があります。だから、過不足のある現実のあなたの実像を、そのまま文章化することこそ、正しいアドバイスを受けるための必須条件なのです。

     学習者に、最も望むべき条件は、ありのままの実体を取り出して私たち論文の指導者に見せてもらうことなのです。

     それによって、過不足の無い自問自答が出来るようになり、必ず正しく理解することができるようになります。それによってはじめて自分なりの意見を導くことが可能になります。そして、それは誰にでもできることなのです。

  • よい発想と着想|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 手順の整理|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 私の体験|小論文の書き方ナビ

  • 自身の知識を再確認|小論文の書き方ナビ





  • 産業革命について論述
     文章を作成するためには「何を書くか」「どうか書くか」が準備できていなければならないと言いましたが、試験論文へのアプローチとしては、「何を書くか」は設問要求を読み取るということと、そこから書きたいこと、訴えたいことを明確にするという手順が、まず必要になります。

     設問文には、資料の文や図表の使い方、考えるべきテーマ、テーマへの視点、それを書く際の条件などが書かれています。資料の文(課せられた主題を理解するための資料文なので一般に「課題文」と呼ばれます)であれば、課題の解釈や理解を助ける説明、課題への解釈や考察の例などが述べられており、これを参考にして設問文に示されている課題を自分なりに考えていく作業を行なう訳です。

     例えば次の問題をみてみましょう。


    =設問=

     文明社会は産業革命の都度、大きくその構造を変化させてきた。これは技術革命と産業構造や社会の仕組みの変化が深く関与しあってきた経緯として捉えることができる。

     そこで、下の文を読んで、次の問いに答えなさい。

    (1)第1次産業革命から第3次産業革命までの経緯を踏まえて、産業革命と社会の変化が技術開発とどのように関係していると捉えているか、筆者の 捉え方を簡潔に説明しなさい。
    (2)21世紀の社会の変化をあなたなりに予想し、課題をひとつ取り上げて、その解決策について800字以内で論述しなさい。 

     課題文(本文省略)
       

       (注:産業革命の呼称は課題文中の使用に準じているものとします。)

                   ―― Foster Ltd.オリジナル問題から――


     まず設問の要求をみると小問が2つありますが、1つ目は課題文を正確に読み取って筆者の視点を整理して文章化することを要求しています。そして次の小問は20世紀から起こった第三次産業革命と社会の変化を予測することと、社会の変革を望ましい方向に進めていく選択肢を発見することを求めています。

     小問(1)は課題文の要約のような作業ですから、読み取った情報を整理す
    るメモの取り方ができれば大丈夫ですが、小問(2)は選択肢を発見する考察
    が要求されているため、推論をたてていくメモをとらなくてはなりません。
    それには、先に課題文と設問文から手に入れた情報と自分の持っている知識の情報をひとまず取り出して整理しながら、その中で問題点がどこにあるか、疑問点がどこにあるかを調べながら核心部分を見つけて絞り込んでいくように進める必要があります。その結果、メモはツリー構造の様相を呈してきます。

     こうしてメモを取って確認しながら進めると、どう書くかを考える時に再び分析する必要も無く、考察によって見つけた情報が混乱することもありません。
    また、何が書きたいかが決まってくると、どう書くかは、その書きたいことを伝えるために、メモのどれをどの順で使えばよいかだけを考えて、アウトライン(筋書き)を決める作業をすれば良いのですから、新たな情報を発掘する努力は、ここではしません。ほぼメモの通りにアウトラインを作り、アウトラインの設計図にしたがって原稿に詳説していけば執筆も完了です。

  • 自問自答の具体例|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • よい発想と着想|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • テーマ アジア諸国の警戒心|小論文の書き方ナビ

  • 私の体験|小論文の書き方ナビ





  • 発想 1
     自分の思考をコントロールするためには、何を対象として問いを出しているのかを明確に意識しておく必要があります。そのように考えようとするものを意識することを『対象化』と呼びます。

     考える対象を意識したら、次にそれについて分かっていることと分かっていないことを出して確認します。たとえばそれは、耳に聞こえてきた話し声が誰の声であるかを確認するように、です。つまり、この段階で、私たちの耳や目を通して入ってくる外界情報は、既に脳の中に蓄えられている情報と照合して、その正体を確認しようとする訳です。それは、文字の意味や単語の意味、その文章の意図やその文章で言われている出来事や様相の確認に至るまで、すなわち、ミニマム情報の確認においても、マキシマムな情報の確認においても同じように既知の情報と照合することによって確認しようとするわけです。

     当然、知らないことは分からないことという情報が返され、知っていることは知っていることであり、それが何であるかの情報が返されます。このように、考える対象を既知の無数の情報と瞬時に照らし合わせていくという、単純にして高度な作業は、既知の情報が、対象となる自分の外にある世界のできるだけ多くの事柄についての、できるだけ正しく、詳しい情報であることが望まれます。しかし、試験論文の準備を行う皆さんに私が申し上げる学習法では、そうした知識の量を増やすことや、正確な知識を手に入れるということが最大の重要事ではないとしています。

     その理由は、考える事柄を対象化することができない人には、知識を獲得すること自体が無駄になるからです。

     しかし、考える事柄を対象化することは、決して難しいことではありません。

  • 思考の方法としての自問自答|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 自問自答の流れ|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 理解することの意味|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 自問自答の具体例|小論文が誰でも書けるマニュアル




  • 答えを出すプロセス
     自身の思考をコントロールすることによって、設問の要求通りの答えを出せるようにしようと、これまで思考のコントロール方法の一端を説明してきました。

     それは、試験論文が要求する自分の「考え」や「意見」、「解釈」などは、知識と違って、覚えておいて説明できるものではないからです。課せられたテーマについての知識が問われると決まっているのであれば、あらゆるテーマについての知識を暗記しておけば完璧に答えられます。しかし、課せられたテーマについてどのように理解し、どのような特徴を意識していくかは、設問の要求によって大きく異なってきます。

     「環境問題についてあなたの意見を述べなさい」という設問の場合、環境問題にはどのような種類があるか、どのような問題発生の原因を抱え、経緯を経ているか、解決しなければならない問題としては何があるか、それはどうすれば解決できるか、――そのようなテーマへの分析的な理解を汲み出してくる作業を行うことでしか、設問の要求に応えることにはなりません。
     
     ここまで繰り返し説明してきましたから、考えるという作業の基本はもう理解してもらえたと思いますが、考えようとするならば、必ず、具体的な問いを自分に向けて発しなければなりません。

     具体的な問いを発して目指す答えまで進んでいくためには、自分の自問自答をメモする必要があります。また、メモに出された内容を分類したり関係を考えてみたりすることで、メモとして表された自信の認識を整理することが出来ます。

     そのような作業は、通常、誰かに習ったことが無くてもある程度深く考えよ
    とすると誰もが実践しようとする自然なやり方です。それが自然に思えるの
    は、脳の中で行っている作業行程と、このようにメモをとって整理するやり方がそっくり同じような意味合いを持った作業になっているからです。また、そうだからこそ、頭の中を整理することが出来るのです。

     自問自答は、課題資料に対して行う段階、設問に対して行う段階、自身の自問自答の分析メモに対して行う段階、と分けることが出来ます。これらの行程を、丁寧に手を抜くこと無くやっていけば、必ず自分なりの答えを導くことが出来ます。その自分なりの答えが、採点者の基準に照らして価値のある情報であるとき、その回答は高く評価されることになるわけです。

  • 小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 思考の方法としての自問自答|小論文が誰でも書けるマニュアル

  • 自問自答の流れ|小論文が誰でも書けるマニュアル





  • 学問と科学的態度
     客観的思考を行うことで自身の思考を評価することができる人は、目的に応じるために現在の思考にどのような工夫を加えればより論理的になり目的を果たすことができるのかを判断できる科学的態度を持った人だと見られ
    ます。

     また、このように自己の認識を分析・吟味することは、自身の認識を反省し、組替えて再認識することになります。それは、他者の認識に対しても自身の認識に対しても目的ある考察においては行われなければならないアプローチです。

     このようなアプローチを「学問する」と呼び、このような考察態度を「科学的態度」と呼びます。「問うて学ぶ」ことでより価値のある認識に向かって進むことができるからです。

     それはあたかも、鋤や鍬を持って畠を耕すことによって畠の土が作物を育てる豊穣な性質へと成長していく姿に似ています。またその営みからしか目的の作物を収穫することはできないように、私たちが客観的な思考という鋤と鍬によって論理的思考という生命誕生の土の営みを実現するというプロセスは、認識を人間自身が吟味することで、様々な新しい価値ある認識―すなわち文化―が生まれるという関係に似ています。ちなみに、このような「客観的思考と論理的思考」を組み合わせて行う勤しみは実は古来から行われてきたのだということを、「カルチャー(文化)」の語源が「カルト(耕す)」であることからも窺い知ることができます。これ程に、客観的思考と論理的思考を使いこなすことが人類にとって重要であるから、客観的な思考の視点やアプローチを「第3の眼」「メタの論理」などと呼んで重要視してきたわけです。

     現代の私たちの脳みそも、同じ仕組みであり、同じ営みを行っていますから、この科学的思考をもって目的に適った論理的考察を行うように努力する必要があるわけですね。また、入学試験で論文を課す最大の理由は、このように目的に応じた考察ができる人が学問の場で成長できるからであり、また、この考察によって、その人自身のものごとの受け止め方や考え方、つまり認識が表出するからなのです。平たく言えば、論文試験によって、どういう人かが分かるからなのです。

     しかし、これらの一見厄介に見える行程も、実は、その都度、たったひとつの問いかけによって自動的に進めていくことができるものです。それゆえ、問いによってコントロールする――つまり脳の作業工程を切り替える――ことができるのです。ここでブレイン・スイッチングと呼んでいる考え方です。


    ところであなたはいま、のどが渇いていませんか?お腹は空いていませんか?
                   ・
                   ・
                   ・
                   ・
     いま、あなたの脳の作業は、自分ののどやお腹の状態を確認しようとし始めませんでしたか。たった1行の問いによって、あなたの脳の作業工程は、瞬時に切り替えられたからです。あなたの意識は、読んで理解するステージから飛び出し、身体の状態を眺める別の客観的なステージに登ったということなのです。

     また、意識が切り替わらなかった人も多いと思いますが、それは他問自答では切り替わりにくいということを裏付けています。自分で出した問いかけには必ず切り替わりますから、自身で問いを出して確認してみてください。

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  • 論理的思考と客観的思考の違い-2
    対象について調べているときに、知っていることや調べて分かったことを整
    理するという作業では、論理を知っていることや調べて分かったことの中を、より価値のあるものと余り価値の無いものとに分類するという、取捨選択を行います。それは、対象となっているテーマの真相や真相を示す事実を明らかにするための問いを出すことによって行われます。

     しかし、実際に自問自答を行おうとすると、どのような問いを出せばよいのか分からないとか、問いと答えがひと通り出終わるとそこで止まってしまい、意見も何らの発見にも辿り着けないという人は多いものです。

    またそれは、論述経験を積みさえすれば解決すると思われがちですが、それほど単純に解決できるものではありません。ましてや立論パターンを暗記して深く考えなくて済むようにすれば良いとか、起承転結のような形式構成に流し込めば思考の浅さをカバーできるなどといった思い込みでは決して解決できません。

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  • 論理的思考と客観的思考の違い-1
     思考のコントロール方法をより正確に理解し、真に入試小論文で求められる行程と水準に達することができるようにするためにも、少し異なる視点からの説明を加えていきましょう。


     論文を作成するには、考えるべき対象となるテーマ(課題)について知っていることや経験したこと、その背景にあることやその原因、影響などを明らかにしていき、対象について持っている自分の認識を整理して言いたいことを見つける必要があります。

     それは、対象について自問することで、自身の受け止め方や思考の傾向性
    認識や価値観によって生成された内界の認識のひとつひとつが持つ意味を再確認し直し、認識の再構築を行うという作業に当ります。 

     このような思考の作業工程を、一般的に「分析」「吟味」と呼びます。またそれは知識や経験の関係性や意味を明らかにしていく思考の作業なので、論理的思考とも呼ばれます。

     それでは、論理的思考を目的に応じて行うにはどうすれば良いのでしょうか。

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  • 客観的な分析のための意識の切り替え
    論理的な思考ができるひとには、このような意識の自覚は日常的なことであり、決して不可解なことではありません。論文を書くために求められる論理的思考は、論理的な過程に入ろうとする前に客観的な分析を行う意識に切り替えることが必要です。

     実は、「客観的な分析のための意識の切り替え」こそが説明しようとしてきたことでした。

     たとえば、環境問題について意見を訊ねられたとき、自然に浮かんでくるいろいろな事柄の全てに順々にしたがって意識の向くままに思考を任せてしまえば、意識は欲求や雑念に応じて迷走し続けることになりがちです。だから、論理的思考のできる人は、自然に浮かんでくる感情や疑問、欲求などに即座には従わず、それらを整理してより有意義な疑問へと切り替えていくという思考の行程をたどろうとします。

     そのために、いま自分が考えようとしている状態について、考えようとしている対象について、そもそも考えることを要求している課題について、それぞれ分からないことが無いように分析する問いを発して確認しておくようにするわけです。それによって、意識は、「考えようとしている自分の意識を調べる意識」へと切り替わります。このことが、意識を客観的にしてくれるのです。

     これは、いわゆる第三の目をもつということです。

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